マイセン長文
2月14日 NHKハイビジョン特集・再OA
【城・王たちの物語・マイセン・幻の磁器の城・アウグスト2世の尽きせぬ欲望】
今日一番に録画確認しました
ご っ つ オ モ ロ イ
今週で一番のアガリ・というワケで今日のトリです
って・日付変わってますが (汗
歴史モノ・芸術モノとしても非常にオモシロく・音楽も良い・ェエ番組でした
カズキ殿@したたかな絵師・ヘロルト
黒さで良役 (笑
丁寧語で低い悪トーン・ステキスギなんです
ありえなく長文なので、後はお任せ致します
カズキ殿・朗読箇所は色付きナリ
アウグスト2世@ありえなく凝り性の王様
陶磁器への傾注っぷりったら尋常でない
当時・技術で先行し珍重された中国や日本の磁器に憧れる
当然・自分の国で作りたい
城中を好きな磁器で飾りたい
ていか・磁器で城を作りたい(え
そして集められた名工達
【マイセン】のブランド確立に大きな貢献を果たした
囚われの身として研究を強いられ・白磁を生み出した
錬金術師ベドガー@西島氏
「王はこう仰せになりました、余のために白い肌を持った黄金を作ってみよと・それまでは城の外に出てはならぬと」
王の渇望“赤を生み出せ”に応え自身の立身出世も果たす、したたかな絵師
絵付師ヘロルト@カズキ殿
「陛下がお望みとあらば・どの様な色でもお申し付けください。例え柿右衛門の赤でも、私が手に入れて差し上げましょう」
王に見出され立体作品を生み出し・一番芸術家らしかった
彫刻師ケンドラー@大浦氏
「アウグスト王は生きておられた頃・私を城にお呼びになり、馬上の陛下のお姿をスケッチせよと仰せになったのです」
歴史の流れに沿って3人が順番に紹介されます
第一章 ベドガー@西島氏の声質は、囚われの悲壮感ハマってました
「城は私には牢獄でした・王は私を捕らえ生涯苦しめ続けたのです」
彼は当時ヨーロッパでは無かった白磁器を生み出すことに成功・しかし製法の秘密を守るため生涯解放されることはなかった
ここで【王立マイセン工房】が誕生します
東洋にならった顔料の開発まで強いられるも、病に倒れ・永眠
第二章 カズキ殿@ヘロルト
野心家であったらしく・声も低暗な響きの悪トーン
そして 一人称 “ワタクシ”
死 ね ま す
「私の名はヘロルト・シノワズリの絵を得意としております」
ベドガーが亡くなって2ヶ月後のこと
マイセンのライバル・ウィーンの工房から自分を売り込んできたヘロルト
「陛下は私の作風をいたく御気に召した様でした。景徳鎮の青も、柿右衛門の赤も、陛下がお望みとあらばどの色でも・私が手に入れて差し上げましょう」
彼の移籍と同時に“染付けの青”がマイセンに…ウィーンからの持ち込み疑惑アリとか(笑
「陛下、私の作品は現在・私のアトリエから城までの道を馬車を往復しております。
その間に貴重な作品の多くが破損してしまいます。どうか城内の工房に私専用の作業場をお与えください。
そうすれば私が陛下にお持ちしました顔料の秘密が城の外へ漏れ出る事を防ぐ事にもなりましょう」
東洋趣味がピークの陛下・アッサリ了承(笑
ヘロルトを押し上げた“柿右衛門の赤”には病に倒れた職人ケイラーのパクリという“黒い疑惑”アリ(笑
「1723年4月30日、夜分遅くケイラーが亡くなりました。私はケイラーの臨終に立ち会いました。
我が友は息を引き取る間際、私に自分の貴重な遺産である、秘密の製法が書かれたノートを託したいと申しました。
私は遺言どおり、棚の鍵を開け、そのノートを保管致しましたことをここにご報告致します」
ケイラーの死後・わずかな間に新たな色を次々と発表
その中には、王が渇望した“柿右衛門の赤”も
現存する“ケイラーノート”筆致はグジャグジャとメモ書きで“赤のレシピ”はありません
ですが“切り取られた様なページ”あり(汗
一方・ヘロルトノート
赤の作り方の手順
英国製の亜鉛を細かくなるまで挽き、陶器の鉢に移す
水を加え2・3日置いた後、溶けるのを待つ
るつぼに入れ、炭火にかけ、蓋をし、熱したまま15分
鮮やかな赤が生まれる
~ヨハン・グレゴリウス・ヘロルト~
ハッキリとした強い筆致で赤のレシピ・サイン入り
ホントのところは解りません…どうなんでしょう(笑
彼の生み出した赤を含む16色・現在でも基本中の基本
レシピは限られた職人しか受け継いでいない極秘情報だそうです
鮮やかな色彩と綿密な東洋画で、王の出す要求を事も無げにこなすヘロルト
陛下はこう仰せになりました。
見た事も無いような植物を表現せよ
衣装はもっと豪華なものにせよ
色とりどりの極楽鳥を描け
火を噴く龍を登場させよ
私は、こう申しました 「仰せのままに」
王の執着心を逆手に寵愛を得る・大した人物です(笑
って・仕事は確実でなければ無理なコト
決して簡単では無いでしょう・むしろ・カッコよくも思えたり(え
遠い憧れの地・シノワズリ(中国趣味)の綿密で幻想的な絵柄
鮮やかな多色使いと、縁取りにはヌップリ金を使い、見るからに豪華な作品
王侯貴族の高尚なシュミであった陶磁器
当然ヘロルト作は大ヒッツ
ツボだけに・ツボついてますね (寒
輸出品として莫大なカネを生み出し、王の更なるシュミ軍資金に大きく貢献
芸術っても、流行という側面もあります
手っ取り早い例として・アールデコとかアールヌーヴォー
今でも人気のある【アルフォンス・ミュシャ】や宝飾ブランド【ティファニー】なんかそうです
芸術で食べるにはスポンサーなくして成らない
ビジネス路線を展開させたヘロルト・大変利口であった思います
王の寵愛を一身に受けたヘロルト・名誉ある宮廷画家の栄光を手にしました
ウィーンからやって来てわずか4年・28歳のこと
弟子には自分の忠実な模倣しか許さなかったアタリ
保身と商品としての品質維持
ちょっと聞こえは悪いかも知れません
ですが・マイセンの作風の確立、今の工房でも彼のデザインは受け継がれており・功績はアリ
色鮮やかな作品で全盛を築き・閣下まで上り詰めたヘロルトでしたが…
第3章 彫刻師ケンドラー
「立体の世界・陶磁器そのもので城を築きたい、まずは磁器の動物園を」
王の野望は尽きません
ヘロルトは自分の絵柄を活かすシンプルな造形オンリー・彫像的立体は不可能でした
そこに王がスカウトした・若き彫刻家見習いケンドラー
彼は立身よりも芸術に興味が強く・王の無理難題がむしろ楽しかった
若さと芸術家としての好奇心から・努力惜しまず見事期待に応える
王も単なる道楽者でなく・見る目があったのですね
って・彼の作品ハンパないッ
や・ヘロルトの彩色画も見事ですが…
精巧に作られた立体彫像
これを粘土や彫り物でなく、焼き物で実現させたってのが驚愕
単なる飾りモノの領域を飛び出した、躍動感のあるリヤルな描写
正直・彼の作品の前ではいくらヘロルトの“色”でも一気に褪せました
やぱ・2Dよか3Dは強いです
彼の作品は大きく、焼成時の温度調整が困難・ヒビが入りやすく、再現は現代でも難しいそうです
ヘロルトも自分の立場がありますんで、当然ツブシに (笑
「陛下からご注文を賜りました動物像についてご報告申し上げます。
彫像は全て完璧なデザインをもって制作致しましたもので、表面を純白に残してのみ効果が現れるものです。
よって、絵付け・彩色は不要であると考えております」
「陛下のご注文による動物像はその大きさゆえと思われますが、ヒビが入る場合がままございます。
仕上がりを任されております私と致しましては、現状のまま納品致しますは心苦しく、
少しでも損失が少なくなりますよう、彩色いたしましたことを、ここにご報告致します」
で・彩色されてしまった作品
って・一気にショボなるんですわ (笑
冷たく・無言の白磁なればこそ・造形に写した “生” が雄弁になるという
ケンドラーの活躍で、マイセンは東洋趣味を抜け出し、独自の発展に向かうことに
アウグスト2世・急逝
3世へバトンタッチ・磁器に興味の無い方でしたが、ケンドラーの強い嘆願で着手
王の騎馬像を陶器で作成計画
反目し合っていたヘロルトとケンドラーも協力体制へ・残された設計図やメモから受け取れます
恩人である王への追悼の意味もあったのでしょうか?
が・他国の侵攻に遭う
白い黄金マイセン工房・占領されるは明白
ヘロルトをはじめ、多くの職人が国外脱出
が・ケンドラーは逃げなかった
工房に残り、縮小版の習作なれど騎馬像を完成させます
そこには芸術家の執念と自分を見出してくれた王への恩義もあるでしょう
足元にあしらった様々なモチーフは彼の集大成か?
尊大であった王に対する忠誠以外の複雑な思いも表現?
王の美しい城は先の大戦で灰燼に…
ですが、爆撃の前に運べるだけの陶磁器を避難させたそうです
また・大変な時間を労して、バラバラになった城や陶器の破片から復元作業が続けられています
そうした国の文化財を大切にする動きは素晴らしい思います
やっぱり・戦争無いのが一番です
平和なればこそ・生活があり、楽しみを見出す余力が生まれ・芸術ですもんね
当たり前の暮らしが何よりです
「王は釜の中の燃え滾る炎を見て、こう仰せになりました。ここは煉獄ではないのか」
「王はこう仰せになりました。磁器は魔物だ、一つ二つ手に入れれば幾つあっても足りぬ」
「王は亡くなる前にこう仰せになりました。世の人生は罪の連続であった」
いや~長い (汗
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コメント
おはようございます。
いや~、ご覧になられたんですね。
我が家はBS録画できないんですよ(泣)
影千代さんの感想を読んで、また見たような気になれて嬉しかったです。
「仰せのままに」ってところでグッときました(笑)
下見沢のかわいらしい高い声とはまた違った、低音の魅力・・・。
最近では久々ヒットです。
内容も映像もとても良い作品に仕上がってますよネ。
・・・あ、先週の「わるいやつら」まだ見てないや・・・。
投稿: 猫婦人 | 2007年2月19日 (月) 05時24分
いつもながら詳細なレポありがとうございます
【わるやつ】の感想を・・・と思って開いたらマイセンの新着記事!
も~戸谷病院運営はX星人方にお任せして(理事長でも事務長でも好きにしてくれ!)私はこちらに集中・・・(笑
あぁ、レポ読んだら録画失敗の痛手が・・・
あとでじっくり観ようと思ってリアル時はBGM状態だったんですよね。。。はぅ
美術系トンと弱いはづきでゴザイマスが興味深く拝読いたしました(正座!
あの低めに押さえた声トーン、ヘロルトの人物像、北村さんの演じられた様々な役が端々に感じられたのは私だけでしょうか
・・・とも、あの手のキャラクターは私の中ではみんな北村顔、北村トーンなのか?
美術系に詳しい影千代さんの記事が補完となって、番組を再び見ているようでした。
あれからマイセン、気になって自分なりにググってみたり。
なんかちょっとだけ日常から離れて豊かな気分を味わえました。ありがとう
「仰せのままに」
この声が印象に残っています
【わるやつ】9日で終わりなんですね
もしかしてうち切・・・(以下自粛)
せっかくこのドラマのいいトコ見つけたのに・・・
ドラマ終了後10分あれば見所は全て観られるっていう(追放~!
シモミーも中途半端にイイ人です
豊美を送り出した後の変わり身の早さが今後どう生かされるのか
ラスボスシモミーを期待していいの?
投稿: はづき | 2007年2月19日 (月) 14時23分
猫婦人サマ☆コバワッ!!!!!
ハイ!週末・ようやく録画確認です
って・録画ができないそうで…
それは大変残念 (泣
多少なりと・お役に立ててよかったです
あの“低甘”を耳に呼び起こす手がかりになればッ
【仰せのままに】キマシタよねッ!!!!!
ねッ!低音の魅力ッ!
得意そうなしゃべり方で、陛下の無理難題を羅列
で、語気にチカラを加えて【仰せのままに】
ぁあ~みなぎる野心に心酔です (え
朗読シーンではイメージ映像的に花や美術品が映し出され、
歴史モノなれど、ヒーリングなアガリ
画と耳で楽しめる良作でした
わるいやつら……
「早く観てッ!!!!!」っと強く推せないヲレです (笑
投稿: 影千代 | 2007年2月19日 (月) 23時41分
はづきサマ☆コバワッ!!!!!
極端なハナシ「観て無くても解る」狙ってみました
記憶の手がかりになれば幸いです
って!
そ・そうだったのか!!!!! (爆
X星人は地球侵攻の足がかり・戸谷病院に定めたのですね (え
また、随分こじんまりと、いや堅実な路線で (笑
気長に入院患者をすり替えていくつもりでしょうか?(地味すぎるッ
統制官サマ・武闘派やったのに…
ドラマ本編より面白いので、この線・採用頂きたい
って・ナイ、ナイ (笑
マイセン・初回放送は04年らしいです
歴史モノゆえ・色褪せる題材でもなく・再々放送に期待します
NHKならやりかねないな?思ったり
ヘロルトの声色、数馬・強気グンジー・黒い吉保サマ・静かな統制官サマ
このアタリをホーフツしました(悪い子揃い・笑
ですね、ヘロルトの黒い逸話を聞いて「またコッチ系かい(笑」
あの手のキャラは“当たり役”?
慇懃無礼な感じがステキなヘロルトでした
カズキ殿が演じたからやのに、今・ヘロルト愛です (何
やは~ッ・つたなく恐縮です (汗
歴史とか美術史・スキなのですが、文章となると…
マイセン・ググりましたか?ヲレもですよ!
思わず・浸ってしまいました(笑
【仰せのままに】強まった語気に野心と自負心が伺え・タマランです
【鮮やかな赤が生まれる】もスキです
朝露を浴びた紅薔薇が映像で流れてまして、一種・色気さえ感じるような
【わるやつ】もしかして打ち切…かもしれませんね(汗
わはは!復習が手っ取り早く済む・ある意味良心的?(イヤそんな
はづきサマも原作既読でしたね
僕は、結局原作通りに行くしかないのかな?思っております
やぱ・豊美も戸谷も殺人者ですし
シモミーの裏工作を掘り下げる作りになれば…と・期待を寄せています
投稿: 影千代 | 2007年2月19日 (月) 23時43分
再レス失礼します
既にマイセンとは何の関係も無くなってきてますが影千代さんの
X星人の地球攻略~に反応してしまいました
>気長に入院患者をすり替えていくつもりでしょうか?
なるほど。その手もありですね(笑
実は戸谷病院では全てのオペは理事長と事務長が行っているんですよ
特に難病患者はね。
もちろんカムフラージュのため院長も必ず立ち会います
理事長は以前某心臓外科医になりすましたこともあったりするのでそこでの知識も駆使しつつ、手に負えそうも無い場合は宇宙人ならではのワザも併せて使い、そんなこんなで最近の戸谷病院の難病完治率はかなり良いようですよ。
資金繰りの心配は無くなったものの既に院長はお飾りに過ぎず・・・
かくしてX星人の(地味めの)地球攻略計画および院長X星人化計画は今日も着々と。。。
戸谷病院の鉄則
「院長のオペは決してみてはならない・・・」
すみません妄想が止まらなくなってしまいました。。。。。。
どうぞ影千代さんの判断で削除なさって下さい
人様のブログに失礼しました
出入り禁止になりませんように・・・
投稿: はづき | 2007年2月20日 (火) 16時45分
はづきサマ☆コバワッ!!!!!
やッ!元はと言えば、はづきサマのコメントが発端デスヨ(笑
アレは本気ツボりました
X星人のツートップが揃い踏みやったのに、何で気付かへんかったんか・ヲレ(殴
ね、わるいやつら・まだまだ捨てたモンじゃないぞ・と
遊べるッ!!!!!(そこか
戸谷病院って、こじんまりした個人病院でしょう?
しゃあから、地球侵攻とのギャップが可笑しすぎて(笑
って!意外とマジメに医療行為やったんですね!?
ナルホド・地道に社会的信用を勝ち取る
評判は評判を呼び、誰も怪しむどころか、やがてメディアまでも味方に…
それからですね、コトを起こすのは
実は計算づくの壮大なプランやったんか!!!!!
サスガ・場当たりの院チョーとは違うッ(笑
も・ドラマがアカンかった場合は(ゆうてもうた
妄想猛走で行くしかないです(笑
や、そんなトンデモナイッ
出入り禁止なんて物騒な(汗
そんなん、よっぽどトンデモナイ場合のみで・作品トークが発端になることはまずありません
妄想の世界に遊ぶはヲレ・しょっちゅうですんで、どうかお気になさらず
いやぁ~⑥話が違ったイミで楽しみです(コラ
投稿: 影千代 | 2007年2月21日 (水) 22時18分