死ぬまで★5発
【死ぬまで★4発】 のつづきです
------------------------------------------------------------------------
「もぅ・逃げられないと思ったの」 崖の上で嗚咽を漏らすミヤマ
黒トレンチ、黒バッグ、黒ワンピース、フタバの色違いみたいな格好で、胸には 「金のネックレス」
「逃げる理由も解らなくなった!」 歩いて来たシミズ・取り乱すミヤマへ冷静に問う
「他の人間になろうとは思わなかったのか? 逃げる理由なんかそもそも無い人間に」
「忘れればいい、過去のコトなんか」 「ムリよ!」
「忘れられるさ・過去の自分は他人なんだから」
明るい口調・微笑みを湛え、生き直すことを勧めるシミズ・意外すね
「もうちょっとだろ?逃げる理由が解らなくなったって言ってんだから、もうちょっとだよ」
「もうちょっとか…」 シミズの優しさ(?)に触れ、ほころぶミヤマ
「小学校3年の時、担任のフクシマ先生に「字が奇麗」って褒められたコトがある」 天を仰いで語りだす
「嬉しかった…家でノート開いて、その字を眺めた…俺よか字の方がすげぇヤツな気がして、真似して隣に書いた」
「そしたら俺自身が酷く下らない人間に思えてきて・その字に馬鹿にされてるような…」「で?(微笑」
「その字をガガガッて塗りつぶしたよ」 「ガガガッて(笑顔」
「印象が違うわ、タクシー運転してる時と」 柔らかいシミズに和み、笑顔をみせるミヤマ
彼を 「自殺者を止めようとする善意の人」 と思ってる様子
「これから死のうってヤツに一つだけ話をしてやるのが俺のシュミなんだ (微笑」
引き寄せといて、一気に突き放すとは…ホント・ェエ性格してあらしゃいますw
さすがに沈黙のミヤマ
「そっか…褒められる字の様にアタシが成ろうと思わなかったかってことね、つまり・アタシでは無いアタシ」 シミズを何とか 「善意の人」 と解釈しようとする
「アンタ・いいネックレスをしてるな、ちょっと見せてくれないか?」
「でも・フクシマ先生のコトは覚えてるじゃない?」 シミズの善意を信じ、従うミヤマ・ネックレスを渡す
「褒められることは嬉しいことよ、でも・自分にその価値が無い人間だと解ったら悲しい…そうよ!アタシなんかを褒める人間が居るのよ!」
ドイを殺したミヤマはベストダンサー賞を貰ってる・スポット浴びる資格が無いってコトか
「貰っていいか?コレ?」 「え?」 ミヤマの話・聞いてないなw
ネックレスの鎖を持って、垂らし・眺めながら流暢に語りだす
「アンタだと思って大切にするよ、もしも・あの世からこの世が見られるなら、見ててくれよ、これはアンタの奇麗な字だよ」
「そして俺はフクシマ先生・俺は言うよ、この奇麗な字を書く人は心の奇麗な人だって、彼女の心はこんな風に輝いてたって」
「フッ…いいだろ?貰って、あ・例のカード、引き落とし確かめといてやるよ、カードと暗証番号、必要だろ?」
ネックレスをポケットに仕舞い、手を伸ばし歩み寄るシミズ・善意の人なんかじゃない
フタバにした話 「10日前の金のネックレス女」 ってミヤマのコトだ
話が180度違うのは、なんか解るけど、時間軸の前後って?
「わぁああぁあああーッ!!!!!」 シミズの本性に叫び、逃げ去るミヤマ
後を追おうとするシミズを止める様に音楽
『♪ 砂をかんでたパトリシア こわれたままのパトリシア』 (2番)
ステージ中央にフタバ・糸を引く様な仕草
マリオネットの様に引き寄せられるシミズ
フタバの導くままに踊るシミズ・抗えない運命の女ってコトか
シミズが退場し、中央に残るフタバ
しゃがみこみ、マッチを灯しては消す一人遊び
「燃えるマッチを見てはこう思ったものよ…あの人を好きになったらどうしよう、消えてくマッチを見て思ったわ、やっぱり好きにならなくて良かった(自嘲」
「あの人って?」 現れたコースケが問う
「その時の・私のあの人よ」
「何?」 マッチをもぎ取るコースケ 「アンタの遊びに付き合ってるだけだよ」
「待って!これに」 コースケの手を取り、そのマッチの火をロウソクに移す
ロウソクの炎に目を落とし、コースケの手を取ったまま沈黙するフタバ 「離せよ!」
「私のこと、悪く言うからよ!」 「何時言った!?」
「笑い方が変だって!抱き上げられてくすぐったそうに笑うことよ!私には出来るワケ無いって!!!!!」 それ言ったんシミズやんな
「何を言ってるんだ?????」
「関係無いわよ!!!!!」 シミズを想うあまり、フタバはトチ狂ったとみた
「くすぐったそうに笑う…ソイツは死んでるんじゃないのか?」
ドイのコトだと一人合点するコースケ
「ソイツ・胸に赤い花が咲いてるんだ、死ぬ時・痛かったところだ」
ドイの胸を触ろうとした話をするも、フタバにはイミが通じず笑われてしまう
「オレのこと・誰にも話さないって言ったくせに…見てろよ!偽りのプレゼント!」
急に現れるドイは激昂 「抱き人形」 の胸に 「登山ナイフ」 をつき立て走り去る
「もう大人だなって…あの男は言ったわ、男の手がアタシに伸びてきた」
下手にミヤマが登場・儘父に性的虐待を受けた回想を話し出す
「コースケ、痛いよぉ…」 声だけで姿の見えないドイ 「何所に居るの!?!?!?」
抱き人形を拾い上げると 「嬉しいよ…見えてたんだね、暫らく眠ってていいかい?」
「貴女は貴女自身を救う必要があったわ」 ミヤマを慰めるフタバ
「でも・私は殺してしまった (嗚咽」
「見てくれている人が居るわ、男も殺されたことで救われたって」
「殺されてどうなるの!?!?!?」 「ただ救われる、泣いてる赤ん坊を見て私達は笑うわ 「何を泣いてるの~」 って、そんな風に救われるのよ」
「それは・赤ん坊が悲しくて泣いてるのではないから?」
明るい調子を戻したミヤマが問う 「何を泣いてるの?生まれたばかりの赤ん坊みたいに?」 「私が?」 「そう見えた (微笑」
「なら・そうね、貴女のコトを救いたかった、そぅ想うしかないわね」
「誰と話してるんだ?????」 コースケにはミヤマの姿も声も解らない
「何を隠したの?出しなさい?私・怖いお母さんになるわよ、出しなさい」 後ろ手のコースケを詰問する
抱き人形を放り投げ、反対の手には 「友達の証さ」 ドイと遊んだ落葉
夕暮れで輝いた落ち葉も、日暮れの町ではくすんでしまう 「もっと奇麗なハズなんだ」
「暑いや…」 コースケの呟きを受けて踵を返すフタバ
「何所行くんだよ!?!?!?」 「暑いって言うから何か冷たいものをと思って」
「言ってから行けよ、何かと思うじゃないか…そうだ・あの人って誰だよ?」
「要らないの?冷たいもの?」 「逸らすなよ、くだらないんだよ人を好きになるなんて!男の方もアンタを好きなワケないじゃないか!」
「私は好きにならなくて良かったって言ってるでしょ!?!?!?」
「それは好きになったってことだろ!?!?!?」
「好きになったわよ!」 「それが間違ってんだよ!誰だっていいんだよ、好きになることで安心したいだけなんだよ!」
「不安よ!好きな間は!!!!!」 「だからそれは、好きになりたがってるってコトだろ!?!?!?」
「相手がスキだって言わなかったら怒るだろ?全部安心のためなんだよ」
「じゃあ・安心を求めるのは悪いコトなの?」
「自分の安心を求める様なヤツが世界に戦争を起こすんだよ!!!!!」
ズカズカ歩み去るフタバ 「何所行くんだよ!?!?!?」
「冷たいものを取ってくるのよ!優しいでしょ!?!?!?優しいは安心に繋がらない!?!?!?」
「ちょっと待って・考えるから;」
「優しいの好きよね?私達?」 「ぇえ (笑顔」 遣り取りを見守っていたミヤマに語りかける
「私・取って来ます!」 「優しい~」 「もしかして・安心させてしまった?」 上機嫌でステップを踏み・舞台奥へはける
「アンタ・さっきから何言ってるんだ?」 「アナタが優しいことは悪いコトなんて言うからよ」
「ねこいらず…効き目の強いやつ…」 「何?」
「私の寝言ですって、アナタの言う通りよ、人を好きになるなんて…」
「何をするんだ」 「ホラ・奇麗でしょう」 コースケの 「落葉」 をロウソクに灯す
するとフタバがいつの間にか居なくなり、代わりにミヤマが現れコースケに語りかける
童話 【マッチ売りの少女】 って火を灯すと幻想が見えるでしょう? ソレみたいすね
「これで殺したのよ!貴方のお父さんを!」 登山ナイフを突き出す
「上手くもないアタシの踊りを褒めて、アタシをダメにしようとした人間よ!」
「いや・オレはオマエのために殺したんじゃない!え…オレが?」
「ええ!アナタはアタシの不幸を放っておけなかったのよ!!!!!」
シミズに 「人を殺した」 大見得切ったコースケだけど、ホントは誰も殺しちゃいない
彼のナイフでミヤマがドイを刺し殺しただけ
が・ミヤマはコースケが 「ミヤマのために実父 (より良い町づくりの会・会長)」 を殺してくれたと言う
「オレは殺してない!オマエがオレの手からナイフを奪って男を!」
全く話の見えないコースケ・ふと目を遣ると、舞台中央に 「赤い花」 が咲いている
「やめて!そのままにして!それをアタシだと思って・大切にして」 言い置いて去るミヤマ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント